ケルビム法律事務所

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「閣議決定(黒川検事長辞任)」

2020-05-28

検察官の定年を延長した本年1月の閣議決定は違法である。
 検察庁法22条では、検事総長65歳、その他の検察官は63歳を定年と定めている。同法32条の2では、検察官の身分保障を定めた25条も含め、22条は、検察官の職務と責任の特殊性に基づいて国家公務員法の特例を定めたものと定める。「特例」ということは、検察庁法の規定が、国家公務員法に優位することを意味する。このことは国家公務員法附則13条も明らかにしている。
 したがって、検察官の定年の延長を実現するには、国会における検察庁法という法律の改正手続きが必要である。内閣の閣議で変更できるものではない。

 この違法性の大きさに比べれば、賭けマージャンごとき、たいしたことではない。事の真相から国民の目をそらすための道具立てに過ぎない。努々(ゆめゆめ)、ごまかされるな。

「易しい言葉と難しい言葉」
 難しい言葉を使うと、なんだか高尚な雰囲気が漂う。易しい言葉を使うと、知能の低さを疑われる。
 難しい言葉の中には、いろいろな意味を含ませることができる。だから何となく偉そうな気がする。錯覚に過ぎないのに。易しい言葉は、意味が明確で、誤解されるところはない。
だから軽んじられる。
 でも、言葉が考え方や感じ方を相手に伝える道具であれば、相手に理解されなければ意味がない。相手に伝わらなければ、甲斐がない。独りよがりの自己満足に終わる。
 だから、できるだけ易しい言葉を工夫する。

「多様性(ダイバーシティ)」
 東京在住のモデルが、緊急事態宣言下、沖縄に旅行に行っていたことが報道され、謝罪に追い込まれた。公開処刑のようだ。自分の価値観と異なる価値観に基づく行動をとった者には制裁を加えなければならない。まるで、戦時中の隣組?自粛要請は絶対?不要不急って誰が決めるの?御上?自分が決めたらだめなの?マスクして手洗いやうがいを励行して沖縄に行くことはダメですか?
 国や自治体の自粛要請を絶対と自分で決め込んで、溜まるイライラの捌け口を、他人の行動に見出しているだけではないの?そんな人たちに頭を下げるってどういうこと?
 多様性って、いろいろな価値観を認めましょう、ということ、自分の価値観だけが絶対ではありません、ということ。であれば、自分の価値観と異なる価値観に基づく言動に対しても、リスペクトはあっていいのでは?排斥は、筋が違うでしょう。卑しい横並び意識と言っては言い過ぎか?