ケルビム法律事務所

Medical Accident

医療事故

『医療機関(強者)
vs患者(弱者)』?!

医療機関と患者の関係は、決して、敵対関係ではありません。
また、医療事故=医療機関側悪、クレーマー=患者悪、という関係でもありません。
患者からのクレームにも正しい内容があり、医療機関として耳を傾ける価値のあるものがあり、
医療事故とみられる中にも、医療機関側に責任のないケースも多々あります。
代理人は、立場の違いを問わず、患者の心情に共感しつつ、
偏見のない目で、事実と向き合う、このことが何よりも大事です。

  • 患者様の立場から
  • 医療機関の
    立場から

患者・ご遺族の立場から

「85.5:18.5」

 この数字、何を示すかお分かりですか?
前者は、一審の民事事件における原告の勝訴率。後者は、医事事件における一審の原告の勝訴率。訴えを提起するという同じ原告の立場でありながら、この数字の違いは何なのでしょう。医事事件について、原告勝訴率が低い原因は二つあります。

 一つは、医療情報の壁です。医療機関側と患者のご遺族サイドでは、医療に関する情報量に圧倒的な差があります。裁判は、証拠に基づく事実の再構成です。証拠がなければ、本来勝つべき事件も負けます。これは裁判所や裁判官が悪いのではなく、自然科学と異なり実験不可能な社会科学分野の宿命です。
 患者サイドができる裁判対策は、医療機関から、診療録や画像等、すべての医療記録を予め取り寄せていただくことです。裁判所において最も高い証明力を持つのは、医療記録等、医師等によりルーティンワークとして作成されるカルテや画像類です。
 もう一つは、過度の正義感情です。これは、代理人に当てはまる事柄でもあります。患者サイドを弱者、医療サイドを強者とパターン化する発想では、往々にして、医療機関側に高度の注意義務を課し、その注意義務を守らなかった医療機関に落ち度ありという主張です。
 しかし、法の大原則は、『法は人に不可能を強いない』のです。このことは医療の臨床現場にも当てはまります。現場のお医者さまが守れないような注意義務を裁判所が認めることはありません。
 以上を踏まえ、患者サイドのお気持ちを十分理解した上で、冷静に、事実を分析できる能力が代理人には求められます。患者サイドの方に耳触りの良い言葉しか語らない代理人には、要注意です。

医師・クリニックの立場から

『医療機関から見る医療事故』

 医療事故は、医療機関にとっては、不可避です。その理由は、何より、医療行為の不確実性に由来します。また、大きな利益を確保するために、やむなく小さな利益侵害を甘受せざる得ない合併症、という事象もあります。
 これに対し、患者の多くの方は、医者にかかれば必ずよくなる、病気の進行は止まる、という半ば信仰にも似た確信があります。
 ここに、患者サイドと医療機関サイドの、本来は余計な溝が生じます。
「余計な」と申し上げたのは、患者サイドが、現代の医療に過度の信頼を持たず、医療技術の限界を知り、他方、医療機関側も、患者の抱える心痛や悩み、病痛に配慮したコミュニケーションが取れれば、このような溝は生じないと考えるからです。
 また、不幸にして、医療事故が裁判に持ち込まれた場合には、交通事故における過失の争い方、これは、結果から時間を遡り、どこの段階で注意義務を果たしていれば、結果発生を防ぎえたかという作業、とは異なり、医療の不確実性を前提に、その場その場で適切な判断が求められる特性に配慮し、結果にかかわらず、その場その場での判断が正しいかどうかが問われていきます。
 患者サイドからのクレームに対しても、慌てる必要は皆無です。まず、体調不良である患者がいかなる事実について怒っているのか、その事実をよく知るものは患者しかいないため、何よりその事実の把握に努めることです。そのためには、当該患者からじっくりと話を聞くことが最初の第一歩です。
もとより軽率なミスは論外です。その場合には、適切な損害額の算定並びに交渉を弁護士がお助けします。

法律相談

まずはお電話にてご用命ください。

03-5577-6007

ご相談は9時~20時まで
(土・日・祝除きます)

料金

30分 税込5,500円

1時間までは税込11,000円
(日中料金と同じ価格です。)