ケルビム法律事務所

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「派閥解消」という誤魔化し

2024-01-30

1 自民党の各派閥による長年に渡る裏金作りの発覚を契機に世間からのバッシングを浴びた自民党は、総裁派閥の岸田派の裏金作り発覚に至って、岸田総理は、岸田派の派閥を決めた。自民党総裁という立場にありながら、自民党内の各派閥解消ではなく、総勢34人に留まる岸田派の派閥の解散を決めたにとどまる。したがって、岸田氏による派閥解散決定は、自民党総裁としての決定ではなく、あくまで岸田派の長としての地位に基づく解散である。
 しかし、今回の違法な裏金作りは、派閥を解散すれば済む問題なのか。派閥の存在自体が裏金作りという違法行為の根源なのか。
 それは、明らかに違うだろう。政治資金規正法にのっとり、各派閥単位でパーティ券の売り上げ額を正確に記載すべきであるのに、これを記載することなく、所属の各議員にバックペイし、これを受けた各議員も、その金額を政治資金規正法の定めに従って、記載しなかった。つまり、政治活動に使うことを名目に開いた政治資金パーティで集めたお金を一部、自分のポケットにしまった行為が、非難に値する行為として問題となる。
 そうであれば、派閥解散は何の解明にも資さない。今回の違法な裏金作りを二度と起こさないという宣言もなければ、その効果もない。派閥解消は世間の目を欺く騙しの手口というほかない。

2 裏金作りは、会計責任者の事務手続き上のミス、と岸田総理は釈明する。
 しかし、自民党内の最大派閥の安倍派をはじめ、有力派閥のそれぞれが、金額の違いこそあれ、同じような裏金作りをやっていたことが明らかになっている。同時期に長きに渉り、事務手続き上のミスが生じるということがあるのか。素人が考えても、一派閥の問題ではなく、組織的な犯罪行為と受け止めるのが自然だろう。それをシャーシャーと事務手続き上のミスと言ってのける岸田という総理大臣は、いったいどんな人なのだろう。とことん有権者を馬鹿にしているとしか思えない対応である。こんな子供だましの言い訳をどれほどの人が信じるのか。

3 そもそも、政党において、多数の議員を有する場合、派閥という存在は決して「悪」ではない。党として政策を形成していくうえで、派閥はむしろ必要不可欠の存在である。
 今回で悪いのは、派閥という存在ではない。自民党という党組織の中で、「金」の管理が極めてルーズである、という点が問題である。
 その点について、何ら原因を探求せず、なぜかかる事態に陥ったのかを有権者に説明もせず、派閥解消でハイ終わりとされたのでは、これほど有権者を馬鹿にした話はない。
 有権者には、強力な武器がある。選挙における投票である。有権者としての見識を示すときがやって来た。